雨の日の取材と象の鼻
昨日は遠方まで取材というのに
つめたい雨模様でした。
そんなとき、本気で専用車が欲しくなります。
パンを適切な状態で持ち帰れるし、車内はきっと
温かく、パンのいい香りで満ち満ちて。
でも雨の日の取材にもいいことがあります。
いつもよりほんのちょっとお客さんがすくなくて
店内にも厨房にもゆっくりした空気が流れているので
面白い話が伺えることが多いのです。
「おいしいパンの基準はいい匂い。
”クンクンクン、いい匂いがするぞ”ということで
鼻の長い象をイメージキャラクターにしました」
という薫々堂の店主、亀山裕子さんの口ぶりが
なんだかとてもかわいくて、温かくて、
だから再会を、とても楽しみに出かけたのでした。
このお店には象の鼻、ではないけれど
長い長いパンがあります。一番長いのは50センチくらい!
フランス直輸入のヴィエノワパンで焼かれる長いパンには
チョコやチョリソが入っています。
ヴィエノワにクープを入れるのが大好き、というのは
シェフの亀山修二さん。
お話を伺いながら、パンのいい匂いに包まれて
わたしは始終鼻を動かしていたかもしれません。
仕事場に戻った雨の夕方。自然光が足りず、撮影を諦めて
コーヒーを淹れ、ゆっくりパンをかじりました。
夜は久しぶりに"ashes and snow"
「象のお姫さまへ」で始まるコルベールの書簡小説を開きました。