創業60年、ペリカンの今
大好きなパン屋さんを、久しぶりに訪れる。
こういうお店を他に知らない。
誰かマネしてくれたらいいのに
と思うけれど、誰もマネしない。
でも、あそこのパンはほんとにいいよね、
と誰もが言う。店を知る誰もがうなずく。
うちは特殊なパン屋だから
と三代目の渡辺猛さんは言った。
食パンとロールパンとドッグパンだけを
何十年も何十年もつくり続けることは、
大変なことなのだ。
お客さんがカラカラと戸を開けて
「それひとつ」と買っていく。
パンを最初から決めてある。
じつはわたし、2つのパンしか知らない。
いつも同じパンしか食べなかった。
毎度2種類、それがあまりにも完璧で
満ちたりてしまうから。
今日は違うのも是非食べてみよう、と思う。
先代と話をしたのはいつのことだっただろう。
もう、彼の面白い話が聞けないとわかったのは
少し前、取材を申し込んだときだった。
世代交代で消えていく店が多いなかで
変わらない様子で続いていく店がある。
その裏には、店を守るあるじと家族と従業員の
尽力があるかもしれない。
たくさんの人に守られるように、続いていく店。
誰もが大切に想うものが、そこにはあるような気がする。
本日取材したパンのペリカンのお話は、記事にまとめます。