仁瓶さんのパン・ド・ロデヴ
丸の内のドンクで、仁瓶利夫さんを囲んで、
パン・ド・ロデヴを愉しむ集まりがあると聞いて
仲間にいれてもらった。
聞いたのは半年前くらいだから、ずっと楽しみにしていた。
さまざまなパン・ド・ロデヴ。味の濃いワイルドブルーベリー入りも
ロデヴ。フランスの町の名前を冠したこのパンを
日本に普及させたのは仁瓶さんだ。
そして今日は、彼自らが焼いたロデヴを、チーズやワイン、
ちょっとした料理とともに味わえる日。
主催者であるたまご社の松成さんを始め、ロデヴ好きが
集まった。食に興味を持ち、学び、愉しむ人たちだった。
仁瓶利夫さん
手前左はパンに合わせてしつらえられた花
水分量の多い生地を、計量も成形もせずに焼くところは
リュスティックと似ているが、それ以上にたくさん、
対粉90%ほどの水を加えるので、その生地は扱いにくい。
頼りない生地が窯の中でぐっと持ち上がり、おいしいパンになる。
それは職人技の賜物だ。
そして、ロデヴはルヴァン種を使うので、香りと味に
ゆたかな深みと奥ゆきがあらわれる。日持ちもする。
水分を多く湛え、しっとりと半透明の艶をもつ生地を
指先でつまむと、弾力をもちながらも、やわらかくのびてゆく。
喉越しのよさは、日本人に親しみやすい。
焼き上がったのを、3センチくらいの厚みにカットすることを
提案したのは、会のひとだという。その絶妙な食感……!
ロデヴ、ヴァン・ムスー、ブリア・サヴァラン、レッドカラント+something good
いつのまにか、いくつも、いくつも食べている。
松成さんが、このおいしさを多くの人に伝えたくて、
仁瓶さんにお願いをした気持ちが、とてもよくわかる。
残念ながらこの会は今日で最終回だそうで、再開を祈った。
パン・ド・ロデヴは青山のドンクなどで、買うことができます。