ブレッド&サーカス、大きな器

味、香り、食感、姿かたち、音……五感で受けとるほかに

まだ何か、感じるものがある。

抽象的な表現になるのだけれど、

大きくて「大丈夫」な感じ。たっぷりとゆたかな感じ。

大きな器にたっぷり入っていて、尽きることのない、

おいしくて楽しい記憶。そこから生まれるパンが、

食べた人のあらたな、おいしくて楽しい記憶になってゆく。

ブレッド&サーカスのパンに、いつもそういうものを感じている。

そして、この店のブログには、仕事の苦労を微塵も見せない粋がある。

ブレッド&サーカス、おいしいものと楽しいこと。

人が集まってくるところ。

写真は「デーツとイチジクの甘めのパン」。

疲れたときに、おいしいパンです。

久しく食べていないのだけれど、

たぶん寺本さんも食べることができていないかも。

Diary912262

*

週末の銀座へ、お茶の先生がたと食事に出た。

わたしが憧れ、尊敬する人たちはみな、大きな器を持ち、

日々のなすべき仕事や、その仕事の中にこそある愉しみを、

美しい水のように湛えているようだ。

心愉しいことばかりではないかもしれないけれど、

どんなできごとも、たぶん、おおらかに受け入れながら、

大丈夫、と笑いながら、丁寧に年を重ねている人たち。

職人さんであれ、職人さんの奥さんであれ、師匠であれ、

気がつけば、まわりにそんな人たちの存在があることは

なんて心強いんだろう!