ブレッド&サーカス、大きな器
味、香り、食感、姿かたち、音……五感で受けとるほかに
まだ何か、感じるものがある。
抽象的な表現になるのだけれど、
大きくて「大丈夫」な感じ。たっぷりとゆたかな感じ。
大きな器にたっぷり入っていて、尽きることのない、
おいしくて楽しい記憶。そこから生まれるパンが、
食べた人のあらたな、おいしくて楽しい記憶になってゆく。
ブレッド&サーカスのパンに、いつもそういうものを感じている。
そして、この店のブログには、仕事の苦労を微塵も見せない粋がある。
ブレッド&サーカス、おいしいものと楽しいこと。
人が集まってくるところ。
写真は「デーツとイチジクの甘めのパン」。
疲れたときに、おいしいパンです。
久しく食べていないのだけれど、
たぶん寺本さんも食べることができていないかも。
*
週末の銀座へ、お茶の先生がたと食事に出た。
わたしが憧れ、尊敬する人たちはみな、大きな器を持ち、
日々のなすべき仕事や、その仕事の中にこそある愉しみを、
美しい水のように湛えているようだ。
心愉しいことばかりではないかもしれないけれど、
どんなできごとも、たぶん、おおらかに受け入れながら、
大丈夫、と笑いながら、丁寧に年を重ねている人たち。
職人さんであれ、職人さんの奥さんであれ、師匠であれ、
気がつけば、まわりにそんな人たちの存在があることは
なんて心強いんだろう!