TAGUCHI BAKERY

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何度見てもいいなぁ、と思うのは、パン屋さんのオープンする

少し前、職人さんがテストベーキング、試し焼きを始める時です。

たいていバゲットやカンパーニュなど、副素材を使わないシンプルなパン

だけを焼き続けるので、その様子がわたし個人の好みにも合うということも

あるのだけれど、新しい環境に慣れようとしながら、まっすぐな視線で

生地の様子や窯の中を見守る職人さんの目が素敵だなぁと思うのです。

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そして通りがかりの人が覗きこんで、パン屋さんみたいだよ、と

ささやきあって、うれしそうにずっと眺めているのに対して、店の人が

出て行って、「○月○日オープンです。どうぞよろしくお願いします」

といって挨拶したりする。

お客さんがもう開いていると勘違いして入ってきてしまったら

やんわりと説明をしながら、よかったら、今焼けたパンをどうぞと

袋に入れて、差し出したりする。

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希望と、ちいさいけれど確かな喜びに、満ちている。

そういう場景に、何度出合ってきただろう、と思う

わたしは、幸せだと思う。

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