秋田のブレないブレッド
金沢の美術館で、そのタイトルに惹かれて手にした
秋田のフリーマガジン『のんびり』。
この、ちょっとシュールな表紙は合成写真ではないそうで、
100年以上の歴史ある花火大会を背景に、休耕田で撮影が行われたそうです。
写っているのは小野小町生誕の地の「小町娘」たち、
日本三大盆踊りの一つ「西馬音内盆踊り」の母娘、
秋田国際ダリア園のダリア。
特集は秋田の与次郎きつねにまつわるいろいろ。
その編集風景そのものが特集となっているところが新鮮です。
作られた人たちの秋田への愛情、編集の楽しみ、ワクワク感が伝わってくる。
ああなんて温かい情報を、しかもフリーで!と、ちょっと昔の
メトロミニッツの質の高さなど思いながらページを捲っていくと
最後のほうに「秋田のブレないブレッド」なる第二特集がありました。
米どころ秋田で、パンは「おやつ」とみなす人の多い地域で、
あえて食事としてのパンを作る人達を取材した特集です。
日本の地方のパン食文化も少しずつ、変わってきているのでしょう。
自家製の酵母など用いてシンプルなパン作りに取り組まれているパン屋さんあり、
ロシアのパンに、いぶりがっこや味噌の入ったベーグルあり、
自家製のマヨネーズでふわふわのたまごサンドも魅力的だった。
やっぱり温かい。温かい編集の手を通して伝わってくるものがある。
『のんびり』に刺激を受けたひとときでした。