誰も知らないクリスマスとパンの研究者、ジャーナリスト。

15日の日記に書いた講演会に出かけた。

パン文化の研究者である舟田先生は
17世紀に描かれた一枚の絵にあったパンに
興味を持ったことから時空を超えた追究の旅に出た。

Duivekater(ダイフェカーター)
フォークロアブレッドの類。

古い文献をあたり、オランダの田舎へ足を運び、
美術館やパン屋を巡り、そのパンの名前をつきとめ、
古語や方言、語源を調べ、人と話し、関わり、
その言葉の由来を探っていく先生はまるで探偵のようだ。

結局、現代人には恐ろしく思える
遠い昔の収穫祭の呪術儀礼の記憶がそのパンを生んだ
ということがわかった。

何百年も前のパンについて、ここまで深く興味を持って
突き進んでいくひとを、わたしは他に、知らない。

講演の後、先生にパンニュース社の西川社長を紹介された。
ずっとお会いしたいと思っていた憧れの女性だったので感動。

このひともまた、業界でその名を知らない人はいない。
日本のパンの歴史をずっと最前線で見て来られた方だから。
80歳を過ぎてなお、海外へも頻繁に足を運ばれる。

その元気と美しさの秘訣は・・・と愚問をしてしまったけれど
一瞬の沈黙の後、同時に「・・・パン!?」と言って
ふたりで笑ってしまった。
「それとチーズよ」と西川さんはおっしゃっていた。
素敵だなぁ・・・。

パンのオーソリティであるお二人とお会いして、
その美しい目の輝きに、興味のあることを追求していく生き方の
素晴らしさを感じた夜でした。


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