金柑蜜煮と砂糖と深夜のスーパーマーケット
元旦に実家で収穫した金柑は、2キロ近くもあった。
黙々と種をとる作業は、瞑想のような時間。
夜遅く、我が家で一番大きいホーローの鍋
(ココット・オーバル27センチ)で炊いた。
砂糖を買いに寄ったスーパーマーケットは閑散として
いたけれど、レジの女性が明るく、ほとんど歌うように
勘定を読み上げ、笑顔を向けてくれたのに心が温まった。
お正月の夜に、こんな寒々としたスーパーで。
「そうするほうが疲れないからでしょう」と夫が言った。
人をちょっとでも楽しい気分にしたり、幸せにするような
(せめてそのきっかけをつくるような)仕事ができたら
と、心から思った。