うますぎないうまいもの

パンのおいしさについての覚書。

 

数年前。
最高のパンをそろえて、何かとてもいいものと合わせて
最高の状態で食べていただこう!という
ベストパンを愉しむ美味しいイベント」を、開催しました。

 

その中で一番人気のあったパンは意外にも、
最もプレーンな、といっていいようなフランスパンでした。
個性を主張せず、どんなチーズ、どんなお惣菜をも
受け入れて調和し、誰にも食べやすかったから。

 

いま我が家にあるカンパーニュもそんな感じです。
それじたいが無地で、いろいろな味を受けとめてくれて
ある意味とても便利です。

 

まだまだ、パンは買ってそのまま食べるだけ
という人が多い世の中。
スライスしてトースターで焼かなくてはならない
面倒なパンは、なかなか広まらないようだけれど、
こういうパンがひとつあれば、忙しい日にもちょっと
豊かな時間が生まれるように思います。

一見特別なことがなく、面白みがないようで
マスコミには取り上げられにくくても
より多くの人に長いこと愛されていくものは
そういう素質を持つかもしれません。

 

そういえば今朝、
時々取り寄せをする味噌屋さんに注文を入れた時にも

”その感じ”がやってきました。

「うますぎないうまいもの」と大きく書かれた言葉を

見つけた時に、そうそう、と思ったのでした。

 

ベストパンを愉しむ美味しいイベント開催(2005)