ベベのフランスパン

Diary90908

バゲットでなく、あえて「フランスパン」と名づけたという

アンジェリックベベのそのパンを、久しぶりに食べた。

わたしはこのパンがすごく好きだった。

だった、というのはずっとご無沙汰していたので。

今日、やはり好きだと思った。

ドレスアップもダウンもできる、何とでもあわせられる、

白いTシャツのようなパン。

日本の多くのパン職人が使う、ごくスタンダードな

フランスパン用の小麦粉を2種類と、水、酵母、塩、

そして時間をたっぷり。

同じつくりかたで、同じようにして焼いても

職人によって違うものができるフランスパンは

だから、職人の腕の見せどころ、基本となる。

手間がかかっているのですね、というと

ただ置いておくだけですよ、という戸島さん。

いつも、その仕事や言葉に無理がない。

でも、数年前と今とでは少し製法を変えているという。

わたしにとっては、同じように感じる好きな味でも

数年前と違っているのだ。

それはたぶん、わたし自身が数年前と違っているように。

不易流行、なんて言葉は出さなかったけれど

しばらく、戸島さんとそんな話をしていた。

時代に応じて変化していくことが

時代を超越して不変なるものとなっていく。