古代小麦「スペルト」セミナー
日本パンコーディネーター協会主催、シニフィアン シニフィエの
志賀勝栄さんを講師に迎えて開催されたスペルト小麦のセミナーを取材。
イタリアではファッロ、ドイツではディンケル、英語圏ではスペルトと
呼ばれる古代小麦。
その粉でどんなパンをつくることができるのか、志賀さんが検証するのを
受講者たちも、実際に生地にさわりながら体験した。
わたしは、またあのことを考えた。
均一でないもの、ブレのある、スペックが定まらない自然の素材の持つ力、
それを扱うひとの力について。
最近、なぜかわたしのまわりはこの話ばかり!
興味が向いているからだろうか。
一袋ごとに微妙に違う、決して扱いやすいとはいえない粉を、おもしろい、
といえるひと。
マニュアルではなく、自分の五感を頼りに、経験や技術力で
毎日毎日、ものづくりに静かに向き合うひと。
それが、わたしが尊敬してやまない、真のパン職人の姿。
昼食はスタッフがコーディネートした+something goodの数々を
スペルト小麦の「バゲット エポートル」「エポートル ルヴァン」とともに。
誰もがパンと一緒に、この素敵な休み時間を楽しんでいた。
うれしい驚きが、いくつかあった。
読者のかたにお会いできたこと。
読者数は簡単にカウントできても、それがどんな方なのか、
実際にお会いすると、そのたびごとに、新鮮なおどろきや
よろこびがある。
声をかけてくださる方の中には、わたしが書いてきたことが
そのひとにとってのsomething goodなきっかけになったことを
報告してくださる方もいる。
それはよかった、と思うと同時に、そんなことができるなんて
と純粋に驚いて、感激してしまう。
それから、じわっと、感謝の気持ちが溢れてくる。
そのひとに。
そして、わたしに仕事をさせてくれる、まわりの方々に。
ありがとう。