La Collection d'Hiroki Sato

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ドンクのブランドのひとつ、全国16店舗で展開する「ジョアン」で

9月5日から18日まで開催される「佐藤広樹の世界」フェアの

社内研修会にお伺いしました。

佐藤さんは1996年にクープ・デュ・モンドでチームリーダーとして

出場された、日本を代表するパン職人のひとり。

彼のレシピによるスペシャルなパンが期間限定で販売され、

本人によるトークイベントや試食会も開催の予定です。

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パンはシンプルなリンゴのパイ、「タルトノルマンド

コンテチーズ入りのカンパーニュ、「ル・コンテ・グルマンド

チーズ入りのドイツパン、「フロッケン・カマンベールブロート」

オレンジフラワーウォーター入りのブリオッシュ「ヴァンデーヌ・ロワイヤル」

メレンゲののったアプリコットのデニッシュ「タルト・オ・アブリコ」

フランスのおやつをスクエアに作った「ボストック・オ・スリーズ」。

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各店のチーフが集まり、仕込み、成形、焼成、検証を、

間にフランスの地方料理で昼食をかねた勉強会も行なわれ、

さすが「フランスパン」の老舗と思ったものでしたが、老舗といえば

ちょうど8月8日はドンク107周年の創業記念日だったのでした。

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ブランケット・ド・ブッフ・アンシェンヌ

フェーヴ・オ・ラルドン・オ・ペティオニオン

サラダ・ヴェール

コンテ(6ヶ月熟成、12ヶ月熟成、24ヶ月熟成)

バゲット

お昼の後は、佐藤さんが渡仏した際のスライドを見ながら

フランスの地方のパンについてのお話をお聞きしました。

今回のフェアのパンはどれも、フランスやドイツの地方で佐藤さんが

印象を受けた伝統的なパンにアレンジを加えて再現したものです。

たとえばアルプスに近いジュラ山脈一帯で作られるコンテチーズ入りの

パンは、生地もチーズも本物の職人さんのつくるものの味がして、

素晴らしいのですが、フランスではサンドイッチとして食べるのが

ポピュラーかもしれません。佐藤さんも、自身のサンドイッチの記憶を

このパンのベースにして、作り上げています。

ベースのところにフランスの地方の空気が、そこで過ごした

時間が、おいしいと感じた舌の記憶が横たわっている、というのは

素敵なことだと思います。

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日本の消費者は依然として、パンを買って帰って何か挟んで食べる

というよりも、手を加えずにそのまま食べられるパンを求めるため、

パンと「何かいいもの」を一体化させて仕上げているところが、

日本らしいパンと言えますが、もしかしたら、このル・コンテ・グルマンド

(プチサイズ210円)から、伝統的なパンやチーズのおいしさを初めて

知る人もあって、こんどは自分でそれらを合わせてみようか、となる

こともあるかもしれないなぁと思います。

今の時代の食文化はそんな風にして、行ったり来たり、しながら

ひろがり、浸透していくのかもしれません。

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