パン欲 日本全国パンの聖地を旅する

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時々、こんな本を書いてくれてありがとう、と感謝したくなる本に出合う。

池田浩明さんの新刊『パン欲 日本全国パンの聖地を旅する』(世界文化社)。

タイトルだけ見たら、いつものわたしなら読む気がしない。聖地ってなに。とよくメディアの人にかみついているくらいだから。でも、聖地はともかく、この本は素敵だ。

まだ、読んでいる途中だけれども、まさに「パンを食べ、人を食べ、土地を食べる」池田さんの文章が、職人さんの言葉を、その息づかいを、その仕事を、そのパンを、シンプルに、誠実に伝えている。彼のパンへの愛はマニアックだけれども、その文は職人的だと思う。

この列島には、こんなに素敵なパン屋さんたちがいると知って、あるいは再確認して、嬉しい。

パン屋さん巡りをしないわたしのような人でも、その職人仕事に、その店の空気に、触れたくなってきた。