この夏の記憶に残る一品。
先日、麻布ウグイスで開催された出版記念のイベントは
茶道の茶事の流れを模したもので、わたしはお茶を点てさせていただいた。
そのかたちは、遊び心から始まったかもしれないけれど、皆が真剣に臨んだ。
点心のひとつにパンを使ったものがあった。
生クリームをホイップしてつくったフレッシュなバターに、生わさびを練り込み、
鴨とともにカリッとドライに焼いた一枚のバゲットにのせたそれは料理人の仕事。
記憶に残る美しいカナッペだった。
わたしはきものが好きで、それを少しでも日常にするために茶道の稽古を始めた。
稽古と仕事がかさなれば、着替えずに行くこともある。
好きなきものとパンには、共通点がある。
その向こうには必ず生産者と真の職人がいて、気が遠くなるような過程を経て
見栄やはったりのきかない手仕事がなされている、ということ。
なんでも早く安く簡単に、が良しとされる時代にあって
真摯にその仕事に向き合う彼らの存在に尊敬と憧れを感じている。
たくさんのひとのおかげで今回、いまここならではのイベントができたことに
深く感謝しています。
イベントの詳細は下記で書いています。