Du Pain et Des Idées 日本初上陸!
クリストフ・ヴァスールさんの Du Pain et Des Idées(デュ・パン・エ・デジデ)が待望の日本初上陸。青山のリチュエル パー クリストフ・ヴァスール(RITUEL par Christophe Vasseur)内で6月18日~7月24日、期間限定オープンする。
販売はパン・デ・ザミ ®(約12×15㎝ /税込490円)とタルティーヌが予定されている。
初の書籍『Le Pain de la Terre à la Table』も同時発売。
Du Pain et Des Idéesとパン・デ・ザミ ®、クリストフさんについては過去の記事をご参照ください。
デュ・パン・エ・デジデのクリストフさんが友達と食べたかったパン。: Bread Journal
J'AIME PARIS アラン・デュカスのお気に入り パン職人編: Bread Journal
詳細はあらためて。
地元パン手帖
甲斐みのりさんの『地元パン手帖』(グラフィック社)を拝読した。
北海道から沖縄まで、みのりさんが10年ほどかけて「採集」した地域のパンの図鑑だ。
この10数年のわたしは、スーパーなどで販売されている袋入りのパンを買う機会が減っていたので、そのビジュアルに子供の頃のノスタルジックな昭和を見つけて、懐かしい想いにとらわれた。
しかしこれはパンの懐古図鑑ではない。当時の素朴なキャラクターやロゴが時代を超えて現役で日本各地に存在しているのだ。それは愛され続けているしるしだ。
東京では(もちろん地方でもきっと)シーズンや行事ごとに目新しいパンを、季節限定のパンを、と各社、各店こぞって商品開発会議が開かれるが、こうしてずっと昔懐かしい姿のまま、愛され続けるパンもあるのだな。
で、『地元パン手帖』のなかで、一番食べてみたいパンは愛知県の「こらくや」のシベリヤ。カステラの間に挟まれているのは羊羹ではなくて、泡雪だ。道の駅「藤川宿」で買えるそう。
わたしは食べものや町について、みのりさんが書く文章が好きだ。
みのりさんが書かれると、知っているはずのもの、自分が普段なんとなく見過ごしていたものが、異なった顔を、風景をみせる。それらが実は宝もののように素敵なものだったということに気づかせてもらい、新鮮なおどろきに包まれる。
最近は杉並区で配布されていた『物語が生まれた場所』(中央線あるあるプロジェクト実行委員会)でもそんな素敵な体験をした。
みのりさんは文章を書かれる時、「なにかを否定する時間を惜しみ、好きなことをもっと深く追いかけていたい」という気持ちでいるという。その姿勢に、わたしは心から共感している。
コーヒーロールにアイシング
3月に続いて、4月、もうひとりの父を見送った。
追悼に過ぎていく、春だ。
そんな時期に書いたもの。
許可を得て掲載します。
『新世』2016年6月号「味力ある一皿」
そして、こちらも。
ナディア・サミュのCUISINE LIBRE(自由な料理)
有限会社クレマの勅使河原加奈子さんから、お知らせをいただきました。
フランスからグルテンフリーの活動家、ナディア・サミュさんを招聘されるとのこと。5月中旬から都内でいくつかのイベントが開催される予定です。
それは単にグルテンアレルギーの方を対象にしたイベントではないようです。
アレルギーのある人でも安心して親しい人たちとテーブルを囲み、同じおいしいものを分かち合い、味わう喜びを共有できる、という新しい可能性を伝えたいということなのです。以下、勅使河原さんからいただいたリリースです。
アレルギーだからと、まわりの人と食の喜びを分かちあうことをあきらめていませんか?
プロヴァンスで22 年ミシュランの星を守り続ける女性シェフを母に、レストランで育ったナディア・サミュ。生まれつき小麦粉のタンパク質であるグルテンを受けつけない体質(セルリアック病)の彼女のために、料理人である母は小麦粉を使わない特別なバースデーケーキを作ってくれました。料理は愛情です。成人したナディアは考えます。どんな人でも等しく「食べる喜び」を享受する権利があるはず。XX 抜き、XX はダメ、ではなくアレルギー体質でも、もっと自由に安心して好きなものを選び、その美味しさをテーブルを囲む親しい人と分かち合えたら……。2012 年彼女は立ち上がり、WITH LOVE, ALLERGEN FREE の旗印のもと、CUISINE LIBRE (自由な料理)という食の運動を始めました。
グルテンフリーメニューの開発、レストランのプロデュース、NY でキッチンカーを走らせ、グルテンフリーパンの製造ライン設計に携わり、そして2016 年「自由な料理研究所」(Institut cuisine libre)を実家のレストランがある南フランスのプロヴァンスに設立しました。
2014 年世界で最も権威のあるパティスリー協会「ルレ・デセール」の国際学会にピエール・エルメより招待され、グルテンフリー・アレルゲンフリーの菓子の必要性と可能性について講義。マドリッドフュージョン、オムニヴォル他国際的な料理学会でも活動の発表を行っています。そしてこの度、ナディア・サミュを初めて日本へ招聘する運びとなりました。彼女のレシピによるグルテンフリーメニューを実際に体験いただきながら、グルテンフリー先進国のひとつであるフランスの食事情、安心しておいしいものを楽しむ「食のバリアフリー」環境について、彼女の話を聞いていただければ幸いです。
2016年4月18日 有限会社クレマ
勅使河原加奈子
【ナディア・サミュ プロフィール】
Nadia Sammut 1981 年 フランス生まれ 35 歳。母はプロヴァンスを代表する一ツ星レストラン「オーベルジュ・ラ・フニエール」(ルールマラン村)のオーナーシェフ レンヌ・サミュ。大学では生化学を専攻。家業であるレストランのサービス、マネージメントに関わりながら、フードジャーナリストである姉ジュリアと共に食をテーマにしたオーダーメード旅行代理店「トラベル・フード」を設立。
生まれつき小麦粉(グルテン)を受けつけない体質、自らのアレルギー体験を元に、グルテンフリーメニューの開発とアレルゲンフリー食の啓蒙のため、2012 年WITH LOVE ALLERGEN FREE を立ち上げる。
パリにて、グルテンフリーレストラン「NOGLU」(ノーグル)オープン時コンセプターとしてメニュー開発を担当。さらにブーランジェリー「エリック・カイザー」にてグルテンフリーパンのレシピ開発、製造ライン監修に当たる。2015 年「オーベルジュ・ラ・フニエール」の一部を改装してINSTITUT CUISINE LIBRE(自由な料理研究所)を設立。メニュー・商品開発、研修を行う。
シーズン中は母レンヌと共に「オーベルジュ・ラ・フニエール」の厨房に立ち、すべてのメニューにおいてグルテンフリー食を実現。グルテンフリー、アレルゲンフリー食のリーダーとしてフランス内外で活動する。
【ナディア・サミュ来日中のイベント情報】
■新宿伊勢丹
5月18日~31日 新宿伊勢丹B2 ビューティーアポセカリー HATAKE CAFEにて、グルテンフリーメニュー「ソルガムきび粉のフォカッチャサンド」を提供(2,160円税込)。
同期間中、B2 ビューティーアポセカリーにて「エイタブリッシュ」によるグルテンフリー&ヴィーガンスイーツの販売。一部ナディア・サミュのレシピによるグルテンフリースイーツも。6月1日にはB1 「マ・パティスリー」にて販売。
5月22日18時~ HATAKE CAFE でグルテンフリースペシャルディナーとセミナー開催 (7,560 円税込)
※問合せ&予約 HATAKE CAFE 03-5925-8220
■Restaurant 8ablish (レストランエイタブリッシュ)
5月23日、24日 11 時~14 時 Restaurant 8ablish (レストランエイタブリッシュ)にてナディアのデモンストレーションによる2日間の料理教室。(10,000円税別) 各日先着20名。
料理セミナーに加え、小麦料理が主流のフランスにおける現在の小麦アレルギー事情やグルテンフリー事情のお話もしていただきます。最後はナディアを囲んで軽食や質問タイム。
23日のテーマは Pizza& Focaccia
グルテンフリーピザ&フォカッチャのパン教室。
トッピングや具材はRestaurant 8ablishのヴィーガンアレンジで。
スープとサラダ、ドリンク2品、お土産付き。
24日のテーマは Pound Cake & Financier
グルテンフリーパウンドケーキとフィナンシェのお菓子教室。
サンドイッチとサラダ、ドリンク2品、お土産付き。
同じく5月23日、24日18 時30分~と21時~(完全予約入れ替え制)
グルテンフリー&ヴィーガンのスペシャルディナー”Cuisine libre”(自由な料理) 開催(8,000 円 税別・サービス料込)
ナディアが提唱する「Cuisine libre, Cuisine pour tous= 自由な料理、すべての人に食べる喜びを」の考え方を、コラボレーションという形で体現していただきます。また、海外からも高い評価を得ている日本のワインも堪能していただけるよう、特別なワインリストをご用意(料金別途)。前菜、スープ&サラダ、メインディッシュ2皿、デザート、ナディアレシピのグルテンフリーブレッドを含めたフルコース。
※問合せ&予約 株式会社 エイタブリッシュ 03-6753-3316
otoaiwase@eightablish.com
■ カイハウス(貝印株式会社による料理教室)
5月25日 11 時~14 時Kai House Club 会員限定(料理研究家、料理教室主宰者対象)「美しく健やかに食す、フランス流 Art de vivre グルテンフリー&地中海料理のセミナー」開催(8,000 円税込)。
※問合せ カイハウス kh-contact@kai-group.com
とにかく、つくり続けること。どんなことがあっても。
このひと月。冬から春へのあいだ、いろいろなことがあって
もうひと月も経ってしまったんだなぁと思う。
昨日、取材先で聞いた職人の言葉が心にしみる。
とにかくつくり続けることです。
どんなことがあっても、焼き続ける。
それが大事だと思っています。
パン屋は、震災があっても、たとえ親が死んでも
そのことを噛みしめながらでも、パンを焼くんです。
20年、30年と焼いているひとほど、どんな状況でも
そうやってお客さんのために、つくり続けている。
すきなんですよ、つくるのが。
3月1日に父が倒れて、わたしのひと月は夢のように過ぎた。
家族に不幸があった、わけだけれど、
それが「不幸」というものなのかはわからない。
半世紀ほど、ずっと幸せだったのだ。
だからいま、ひどくかなしいだけだ。
日々は、それほど不幸ではない、と思って生きている。
幸せに生きられるように生み育ててもらったのだ。
だから、わたしも、書き続けていこう。
3月のBread Journalのブランクをお詫びします。
ここのところの新しい記事はこちらです。
【パン連載 Vol.13】春の週末は、多摩のパン屋さんに出かけよう
「ぶーるぶーる(Boule Beurre Boulangerie)」でフレンチスタイルのかわいいパンを調達する
http://www.enjoytokyo.jp/style/106423/
All About 15周年!
年に一度のAll About ガイドの集まり、Red Ball Japanが開催されました。
All Aboutは15周年。今でもパン業界の方に「All About Japanの清水さん」と
サービス開始当初(2000-2004)の社名&サイト名で呼ばれることがあり
そうすると、古くから知ってくださっている方だな、とおもいます。
15年前に思った通り、パンの世界は広く深く、そこに関わるひとたちはみな、
温かく、おもしろいです。All Aboutガイドになったため、そのひとたちに
より深くかかわる人生となりました。
パン業界の皆さま、いつも興味深いお話とおいしいパンと、貴重な時間を
ありがとうございます。
読者の皆さま、いつも楽しみにしてくださって、励みになっています。
どうもありがとうございます。
All Aboutには、15年前、わたしにAll Aboutパンという場をまかせて
くださったことに、今でも心から感謝しています。
Red Ball Japanでは、15周年を記念して15の表彰がありました。
「記事のお手入れマメで賞」(ウェブではこの作業がだいじ)や
「Googleに愛されたで賞」や、「最優秀新人ガイド賞」など。
わたしはなんと「ガイドが選ぶ、尊敬するガイド」賞をいただきました。
選んでくださった皆さま、ありがとうございました。
この名誉に恥じぬよう、精進します。
これからもどうぞ、よろしくお願い申し上げます。
今流に提案された伝統に気軽に触れられる場所
Let's ENJOY TOKYOで、日本橋をご案内しました
(パンのお話はここでは少しだけです)。
東京メトロ134駅で現在配布中のフリーペーパー
『TOKYO TREND RANKING』に掲載されています。
一部、Let's ENJOY TOKYOのサイトでもご覧いただけます。
Let's ENJOY TOKYOは東京のオデカケをテーマにしたサイトですが、
そこでキュレーターを務めることになったとき、最近気に入っている
オデカケの場所として日本橋を挙げていました。
日本橋は、今流に提案された伝統に気軽に触れられる場所です。
きものがすきで、週に一度はきもので過ごしています。
パンとの関連性は、伝統と職人技かな。
Let's ENJOY TOKYO
『清水美穂子のBread+something good in Tokyo』