シニフィアン シニフィエ×Fromagerie QUATREHOMME
シニフィアン シニフィエのオンラインショップで、パリで人気のチーズ屋さん「QUATREHOMME(キャトルオム)」の「カマンベール ド ノルマンディ AOP ガロンド」とそれに合わせた特製のパン「レザン オ ラム︎」のセットの受付が始まりました。
予約販売:キャトルオム熟成チーズとパンセット - Signifiant Signifie
QUATREHOMMEはフランスで女性初のMOF(フランス国家最優秀職人賞)の称号を持つマリー・キャトルオムさんのお店で、顧客にはピエール・ガニエール、アラン・デュカス、ジョエル・ロブションなど有名シェフが名前を連ねています。
QUATREHOMMEの正式な輸入は日本初。
そもそもは「シニフィアン シニフィエのパンに合う最高においしいバターを探そう!」というプロジェクトがあって、QUATREHOMMEのバターとの出合いがあり、チーズも最高においしかったため、このコラボに繋がったのだそうです。残念ながらバターは賞味期限の関係で輸入が難しく断念。しかし、おかげさまでこのチーズ!
この春、マリーさんがチーズを持ってシニフィアン シニフィエを訪れた際に、パンのおいしさに魅了されたこともあって、このコラボレーションは成立しました。
幸運にもその場に居合わせた私は、いくつかのチーズをテイスティングさせていただき、久しぶりにパンとチーズの素晴らしいマリアージュを体験することができました。
個人的に最も好きなチーズがコンテなので、マリーさんの48ヶ月と36ヶ月熟成コンテAOPときたら、ミルキーなコクもジャリっとした旨みの粒子も、感動ものでした。ほかには48ヶ月熟成ゴーダ、オッソーイラティAOP(羊乳)。白カビ系は、カマンベール オ カルヴァドス(カルヴァドスをしみこませたパン粉がまぶしてある)、もちもちのブリードモー ダブル(QUATREHOMMEのスペシャリテ)。シェーブルはピコドンAOP、シャロレーオゥウイスキー(ニッカウィスキーで洗ったスペシャリテ)、レイヨン(フルムダンベールに甘口ワインを混ぜたもの)など。どれも濃厚で、シニフィアン シニフィエの旨味たっぷりのシンプルなパンによく合います。そしてバター……。バゲットやカンパーニュに、贅沢にのせていただきましたが、これがまさに夢のような味でした(夢になってしまいました)。
キャトルオム熟成カマンベールとシニフィアン シニフィエの「レザン オ ラム」は
10月2日から10月4日発送。予約受付は9月11日まで。
予約販売:キャトルオム熟成チーズとパンセット - Signifiant Signifie
そのほかのチーズについては未定です。新しいお知らせはシニフィアンシニフィエのサイトをご覧ください。
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スカモルツァをのせて焼いたノアレザン。岸本拓也さんのパン時間。
食に関わる仕事をする人に日々のパンについてインタビューする『わたしの素敵なパン時間』41人目のインタビュイーはジャパン ベーカリーマーケティング株式会社代表取締役の岸本拓也さんでした。
多くの方に読んでいただけたらと思い、NKC Radarの許可を得て転載します。
スカモルツァをのせて焼いたノアレザンとサッカー観戦
岸本拓也さん / ジャパン ベーカリーマーケティング株式会社 代表取締役社長
外資系ホテルからパンに関わる仕事へ
前職は外資系の高級ホテルチェーンでした。そこではレストランの料理の価格がコースで15000円くらい、ケーキならひとつだいたい600円したんですが、パンは90円からあったんですね。
従業員食堂でホテルのシェフ達と会うと、料理哲学の話になることがあるんですが、それは料理ばかりではなく、パンもなんです。ひとつのパンのなかに、哲学や食の魅力、グルメの要素がぎっしり詰まっている。それを90円で買えるって、ものすごく安いもんだなと思ったんですよ。そういうパンの魅力を、地域の人たちに広げていく仕事がしたいと考えました。それが、ぼくがパンの仕事に携わるようになったきっかけです。
一流レストラン巡りとトツゼンベーカーズキッチン
ホテルに入社すると、まず最初にルームサービスやカフェやレストランのサービスをするのですが、その頃のぼくはベーカリーよりもレストランに興味がありました。大学を卒業したばかりで、憧れの大人の世界だったんですよ。レストランはお客さまが空間をつくる。そして空間がお店の雰囲気をつくる、ということを肌で感じました。
お客さまに夢を提供し、満足していただく仕事をするには、お客さまと同等かそれ以上の知識や体験をもって接客しなくてはならないし、知らなかったら恥ずかしいということがたくさんありました。だからボーナスが入るとパリやニューヨークにレストラン巡りに出かけたんです。勤めて3年目には一流と言われるレストラン「アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ」や「ピエール・ガニェール」にも行きましたよ。ボーナスなんて、すっからかんです。持っていた車も売っちゃいました。週末は格安航空券で香港に行ったり、2泊でニューオーリンズとかも行っていましたね。
ニューヨークで感銘を受けたのは、「ブーレー」です。レストランとベーカリーが一緒にそこにある。料理とパン、そしてお洒落なデザインが点と点で結ばれて店になっている感じです。それが面白くて、衝撃を受けましたね。パリに比べてすっきりと無駄のないシンプルなデザインの店がニューヨークにはたくさんありました。
日本にショコラティエという高級志向でスタイリッシュな専門店ができ始めたとき、そのうちパンも絶対にこういうスタイルの店がブレイクするぞと思いました。大倉山に「トツゼンベーカーズキッチン」をオープンさせたのはその頃です。いまはすこしカジュアルに路線変更しましたが、当初は黒のスーツで接客していましたからね。いつも、お客さまに楽しいサプライズを提供できたらと考えているんです。
ベーグルサンドとBLT
トツゼンベーカーズキッチンで市内のジャズクラブやフレンチレストランにパンの配達をしていた頃、途中に落ち着けるカフェがあって、時々寄ってひと息ついていましたね。ベーグルのサンドがすごくおいしくてね。ミネストローネスープとかポテトサラダといった組み合わせはありきたりですが、そういうのが好きですよ。サンドイッチはBLT(ベーコン、レタス、トマト)サンドもいいですね。今プロデュースしている店でも、まっさきにBLTを提案しました。凝ったサンドイッチも悪くはないけれど、忙しくなっても店をまわしていけるか、トータルで考えますからね。BLTはつくりやすいし、みんな大好きです。
パンとワインと音楽とサッカー
トツゼンベーカーズキッチンのパンでは「ノアレザン」が気に入っています。クルミとレーズンのライ麦パンです。最近はまっているのが、薫製したモツァレラチーズ、「スカモルツア」。これをマヌカハニーなど、蜂蜜をつけたノアレザンの上にのせて焼いて、シナモンを振るんです。これがね、本当においしいんですよ。
奥さんにこれをつくってもらって、白ワインを飲みながら、サッカーを観る時間が一番好きです。夜食ですよ。土曜とかゆっくり家に居る夜にね。部屋にはいつも静かに音楽を流しているんですが、心地のいいソファで、スカモルツァをのせて焼いたノアレザンと白ワインと音楽とサッカーをね、一緒に楽しむのが、至福の時です。
岸本拓也/ ジャパン ベーカリーマーケティング株式会社 代表取締役社長
横浜ベイシェラトン ホテルで広報PR・ブランディング・レストランカフェ・ホテルベーカリーのマーケティング・企画業務を担当。退社後、有限会社わらうかど設立。横浜・大倉山で「TOTSZEN BAKER’S KITCHEN(トツゼンベーカーズキッチン)」開業。2011年より震災地におけるベーカリープロデュースやベーカリーの新業態開発、売上改善、販売コンサルティングをスタート。 2013年にジャパンベーカリーマーケティング株式会社設立。
『NKC Radar』Vol.74 p.10より転載
Back Number
Du Pain et Des Idées 日本初上陸!
クリストフ・ヴァスールさんの Du Pain et Des Idées(デュ・パン・エ・デジデ)が待望の日本初上陸。青山のリチュエル パー クリストフ・ヴァスール(RITUEL par Christophe Vasseur)内で6月18日~7月24日、期間限定オープンする。
販売はパン・デ・ザミ ®(約12×15㎝ /税込490円)とタルティーヌが予定されている。
初の書籍『Le Pain de la Terre à la Table』も同時発売。
Du Pain et Des Idéesとパン・デ・ザミ ®、クリストフさんについては過去の記事をご参照ください。
デュ・パン・エ・デジデのクリストフさんが友達と食べたかったパン。: Bread Journal
J'AIME PARIS アラン・デュカスのお気に入り パン職人編: Bread Journal
詳細はあらためて。
地元パン手帖
甲斐みのりさんの『地元パン手帖』(グラフィック社)を拝読した。
北海道から沖縄まで、みのりさんが10年ほどかけて「採集」した地域のパンの図鑑だ。
この10数年のわたしは、スーパーなどで販売されている袋入りのパンを買う機会が減っていたので、そのビジュアルに子供の頃のノスタルジックな昭和を見つけて、懐かしい想いにとらわれた。
しかしこれはパンの懐古図鑑ではない。当時の素朴なキャラクターやロゴが時代を超えて現役で日本各地に存在しているのだ。それは愛され続けているしるしだ。
東京では(もちろん地方でもきっと)シーズンや行事ごとに目新しいパンを、季節限定のパンを、と各社、各店こぞって商品開発会議が開かれるが、こうしてずっと昔懐かしい姿のまま、愛され続けるパンもあるのだな。
で、『地元パン手帖』のなかで、一番食べてみたいパンは愛知県の「こらくや」のシベリヤ。カステラの間に挟まれているのは羊羹ではなくて、泡雪だ。道の駅「藤川宿」で買えるそう。
わたしは食べものや町について、みのりさんが書く文章が好きだ。
みのりさんが書かれると、知っているはずのもの、自分が普段なんとなく見過ごしていたものが、異なった顔を、風景をみせる。それらが実は宝もののように素敵なものだったということに気づかせてもらい、新鮮なおどろきに包まれる。
最近は杉並区で配布されていた『物語が生まれた場所』(中央線あるあるプロジェクト実行委員会)でもそんな素敵な体験をした。
みのりさんは文章を書かれる時、「なにかを否定する時間を惜しみ、好きなことをもっと深く追いかけていたい」という気持ちでいるという。その姿勢に、わたしは心から共感している。
コーヒーロールにアイシング
3月に続いて、4月、もうひとりの父を見送った。
追悼に過ぎていく、春だ。
そんな時期に書いたもの。
許可を得て掲載します。
『新世』2016年6月号「味力ある一皿」
そして、こちらも。
ナディア・サミュのCUISINE LIBRE(自由な料理)
有限会社クレマの勅使河原加奈子さんから、お知らせをいただきました。
フランスからグルテンフリーの活動家、ナディア・サミュさんを招聘されるとのこと。5月中旬から都内でいくつかのイベントが開催される予定です。
それは単にグルテンアレルギーの方を対象にしたイベントではないようです。
アレルギーのある人でも安心して親しい人たちとテーブルを囲み、同じおいしいものを分かち合い、味わう喜びを共有できる、という新しい可能性を伝えたいということなのです。以下、勅使河原さんからいただいたリリースです。
アレルギーだからと、まわりの人と食の喜びを分かちあうことをあきらめていませんか?
プロヴァンスで22 年ミシュランの星を守り続ける女性シェフを母に、レストランで育ったナディア・サミュ。生まれつき小麦粉のタンパク質であるグルテンを受けつけない体質(セルリアック病)の彼女のために、料理人である母は小麦粉を使わない特別なバースデーケーキを作ってくれました。料理は愛情です。成人したナディアは考えます。どんな人でも等しく「食べる喜び」を享受する権利があるはず。XX 抜き、XX はダメ、ではなくアレルギー体質でも、もっと自由に安心して好きなものを選び、その美味しさをテーブルを囲む親しい人と分かち合えたら……。2012 年彼女は立ち上がり、WITH LOVE, ALLERGEN FREE の旗印のもと、CUISINE LIBRE (自由な料理)という食の運動を始めました。
グルテンフリーメニューの開発、レストランのプロデュース、NY でキッチンカーを走らせ、グルテンフリーパンの製造ライン設計に携わり、そして2016 年「自由な料理研究所」(Institut cuisine libre)を実家のレストランがある南フランスのプロヴァンスに設立しました。
2014 年世界で最も権威のあるパティスリー協会「ルレ・デセール」の国際学会にピエール・エルメより招待され、グルテンフリー・アレルゲンフリーの菓子の必要性と可能性について講義。マドリッドフュージョン、オムニヴォル他国際的な料理学会でも活動の発表を行っています。そしてこの度、ナディア・サミュを初めて日本へ招聘する運びとなりました。彼女のレシピによるグルテンフリーメニューを実際に体験いただきながら、グルテンフリー先進国のひとつであるフランスの食事情、安心しておいしいものを楽しむ「食のバリアフリー」環境について、彼女の話を聞いていただければ幸いです。
2016年4月18日 有限会社クレマ
勅使河原加奈子
【ナディア・サミュ プロフィール】
Nadia Sammut 1981 年 フランス生まれ 35 歳。母はプロヴァンスを代表する一ツ星レストラン「オーベルジュ・ラ・フニエール」(ルールマラン村)のオーナーシェフ レンヌ・サミュ。大学では生化学を専攻。家業であるレストランのサービス、マネージメントに関わりながら、フードジャーナリストである姉ジュリアと共に食をテーマにしたオーダーメード旅行代理店「トラベル・フード」を設立。
生まれつき小麦粉(グルテン)を受けつけない体質、自らのアレルギー体験を元に、グルテンフリーメニューの開発とアレルゲンフリー食の啓蒙のため、2012 年WITH LOVE ALLERGEN FREE を立ち上げる。
パリにて、グルテンフリーレストラン「NOGLU」(ノーグル)オープン時コンセプターとしてメニュー開発を担当。さらにブーランジェリー「エリック・カイザー」にてグルテンフリーパンのレシピ開発、製造ライン監修に当たる。2015 年「オーベルジュ・ラ・フニエール」の一部を改装してINSTITUT CUISINE LIBRE(自由な料理研究所)を設立。メニュー・商品開発、研修を行う。
シーズン中は母レンヌと共に「オーベルジュ・ラ・フニエール」の厨房に立ち、すべてのメニューにおいてグルテンフリー食を実現。グルテンフリー、アレルゲンフリー食のリーダーとしてフランス内外で活動する。
【ナディア・サミュ来日中のイベント情報】
■新宿伊勢丹
5月18日~31日 新宿伊勢丹B2 ビューティーアポセカリー HATAKE CAFEにて、グルテンフリーメニュー「ソルガムきび粉のフォカッチャサンド」を提供(2,160円税込)。
同期間中、B2 ビューティーアポセカリーにて「エイタブリッシュ」によるグルテンフリー&ヴィーガンスイーツの販売。一部ナディア・サミュのレシピによるグルテンフリースイーツも。6月1日にはB1 「マ・パティスリー」にて販売。
5月22日18時~ HATAKE CAFE でグルテンフリースペシャルディナーとセミナー開催 (7,560 円税込)
※問合せ&予約 HATAKE CAFE 03-5925-8220
■Restaurant 8ablish (レストランエイタブリッシュ)
5月23日、24日 11 時~14 時 Restaurant 8ablish (レストランエイタブリッシュ)にてナディアのデモンストレーションによる2日間の料理教室。(10,000円税別) 各日先着20名。
料理セミナーに加え、小麦料理が主流のフランスにおける現在の小麦アレルギー事情やグルテンフリー事情のお話もしていただきます。最後はナディアを囲んで軽食や質問タイム。
23日のテーマは Pizza& Focaccia
グルテンフリーピザ&フォカッチャのパン教室。
トッピングや具材はRestaurant 8ablishのヴィーガンアレンジで。
スープとサラダ、ドリンク2品、お土産付き。
24日のテーマは Pound Cake & Financier
グルテンフリーパウンドケーキとフィナンシェのお菓子教室。
サンドイッチとサラダ、ドリンク2品、お土産付き。
同じく5月23日、24日18 時30分~と21時~(完全予約入れ替え制)
グルテンフリー&ヴィーガンのスペシャルディナー”Cuisine libre”(自由な料理) 開催(8,000 円 税別・サービス料込)
ナディアが提唱する「Cuisine libre, Cuisine pour tous= 自由な料理、すべての人に食べる喜びを」の考え方を、コラボレーションという形で体現していただきます。また、海外からも高い評価を得ている日本のワインも堪能していただけるよう、特別なワインリストをご用意(料金別途)。前菜、スープ&サラダ、メインディッシュ2皿、デザート、ナディアレシピのグルテンフリーブレッドを含めたフルコース。
※問合せ&予約 株式会社 エイタブリッシュ 03-6753-3316
otoaiwase@eightablish.com
■ カイハウス(貝印株式会社による料理教室)
5月25日 11 時~14 時Kai House Club 会員限定(料理研究家、料理教室主宰者対象)「美しく健やかに食す、フランス流 Art de vivre グルテンフリー&地中海料理のセミナー」開催(8,000 円税込)。
※問合せ カイハウス kh-contact@kai-group.com